2015年12月09日
さまざまな疲れと症状
生理的疲労
仕事や運動などをしたときに感じる、通常の疲労。人間が健康を維持するための防御反応が「生理的疲労」で、休息することで回復します。肉体的な疲労だけでなく、精神的な疲労も含まれます。
慢性疲労症候群
仕事や家事、運動などによる活動量と休養のアンバランスによって起こる疲労。休息しても疲労が回復しない状態のことです。免疫物質の異常が引き起こす脳・神経系の機能障害と言われています。
病的疲労
病気の症状として疲労が現れるものです。基礎疾患としては、心臓病や糖尿病、気管支ぜんそく、肝炎、貧血、代謝性疾患、筋肉疾患、各種の感染症、がんなどが挙げられています。
健康維持の要となるのは、やはり食事。食事を抜くとエネルギー不足になり、疲れやすくなります。1日3食を規則正しく食べ、多くの食材から過不足なく栄養素を摂るのが基本です。5大栄養素の糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランス良く補給してエネルギー代謝を高めれば、自然と疲れにくい体になります。
その上で特に疲労回復に効果的な栄養素を含んだ黒酢やごま、スタミナ食材の代表格、ニンニクなどを積極的に食べましょう。また、エネルギー生産のための代謝を活性化させるには、ビタミンB1やビタミンB2などのビタミンB群が不可欠です。普段の食事で不足してしまう場合は、サプリメントで補うのもおすすめです。
また、食べ方にも注意が必要。消化や吸収はリラックス時にスムーズに行われるので、時間をかけよく噛んで食べましょう。脂質を分解するには時間がかかるので、脂っこい食事は胃腸への負担が大きくなります。疲れたときは胃に優しいメニューを心がけましょう。また、タバコはニコチンなど有害物質が体内のビタミン・ミネラルを壊してしまうので、控えましょう。
睡眠と覚醒の周期を整えよう
睡眠は疲労回復の特効薬です。脳や身体を休めるとともに、寝ている間に成長ホルモンが分泌され、身体のメンテナンスが行われるからです。睡眠が不足すると疲労がリセットされず、慢性的な疲労へとつながります。
眠りにはレム睡眠(浅い眠り)と、脳も休んだ状態のノンレム睡眠(深い眠り)があります。交互に約90分周期を繰り返しますが、周期の最後にレム睡眠が現れます。夢を見るのはこの浅い眠りの状態のときです。6時間か7時間半くらい、レム睡眠のときに起きると、スッキリ目覚めることができます。
適度な昼寝も疲労回復に効果的です。午後の早めの時間帯、3時までに20〜30分程度の昼寝がおすすめです。2時間もぐっすり眠ったり、夕方に寝ると夜間の睡眠に影響が出て逆効果。目覚ましを使って短い昼寝をしましょう。
また、休日の“寝だめ”は生活のリズムを乱します。体内時計が狂って不眠になることもあるので、いつもの睡眠プラス1〜2時間に抑えて、睡眠サイクルを守りましょう。毎日同じ時刻に寝て、起床する規則正しい生活習慣なら、疲労は蓄積されず毎日リセットされます。
軽い有酸素運動で心身をリフレッシュ
適度な運動で筋力を保つと、代謝がよくなり、疲労をためない体になります。運動をすれば食欲も出て、よく眠れ、疲労もリセットされる、といった好循環につながります。
運動といっても、激しく、特別な運動をする必要はありません。普段カラダを動かす習慣のない人は、軽いストレッチから始めてみましょう。筋肉をほぐすことで緊張や疲労物質を取り除き、リラックスできます。
また、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動なら、持久力など体力もアップしてより疲労回復につながります。しかし、激しく体力を消耗する運動をすると、体を活動的にする交感神経が刺激されて眠れなくなることもあります。
心地よい疲労感は良質な睡眠をもたらし、リズミカルな運動は脳内でセロトニンやドーパミンを活性化してメンタル面でも明るくしてくれます。まずは1日10〜20分程度の軽い運動から始めましょう。
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