2016年01月18日
酸素を全身に運搬
赤血球中のヘモグロビンの構成成分『鉄』は、全身に酸素を供給する重要な栄養素です。体内に3〜4g含まれ、たんぱく質と結合して存在します。このうち約70%は赤血球のヘモグロビンや筋肉中のたんぱく質の構成成分となり、これらは「機能鉄」と呼ばれ、肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運搬する重要な働きをしています。
残りの約30%は「貯蔵鉄」と呼ばれ、肝臓や骨髄、脾臓(ひぞう)などにストックされ、機能鉄が不足したときに利用されます。その他、体内に存在する鉄の約0.3%は、酵素の構成成分となり、エネルギー代謝において重要な働きをしています。
吸収されにくいミネラル
鉄は体内に吸収されにくい栄養素です。腸の粘膜に存在するフェリチンという貯蔵鉄が吸収の促進・抑制を調節し、必要以上に体内に吸収されないしくみになっています。不足すると鉄欠乏性貧血を起こします。
酸素が全身に供給されないことで疲れやすくなったり、頭痛や動悸(どうき)、息切れ、食欲不振などの症状が現れることもあります。特に成長期や月経のある女性は注意が必要です。1日の摂取基準も年齢や性別、月経の有無によって違いがあり、必要量が最も多い月経のある30〜69歳の女性の推奨量は11mgとなっています。
食事からの体内吸収率が約15%と低い鉄の補給は、手軽に摂れるサプリメントがおすすめです。
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